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宅地

宅地の定義は、以下のように法律によって異なります。それぞれ異なった定義付けがなされており、例えば宅地建物取引業法上では、原野・田・畑なども宅地となります。また、宅地に関する業種としては「宅地建物取引業」があり、宅地または建物の売買・交換、売買・交換・賃貸の代理・仲介などを行っています。

●宅地建物取引業法による定義
建物の敷地に供せられる土地をいい、都市計画法(昭和43年法律第100号)第8条第1項第1号の用途地域内のその他の土地で、道路、公園、河川その他政令で定める公共の用に供する施設の用に供せられているもの以外のものを含むもの
●宅地造成等規制法による定義
農地、採草放牧地及び森林並びに道路、公園、河川その他政令で定める公共の用に供する施設の用に供されている土地以外の土地
●土地区画整理法による定義
公共施設の用に供されている国または地方公共団体の所有する土地以外の土地
●不動産登記法上の分類である地目における定義
建物の敷地及びその維持もしくは効用を果たすために必要な土地

地上権

地上権とは、工作物などを所有する目的で他者の土地を使用することができる権利です(地上権における工作物とは、家屋やトンネルなどの地上・地下にある一切の建造物を指します)。地上権を設定する場合は、土地の所有者が地上権を土地登記簿に登記するのが一般的です。

地上権は土地貸借権とよく似ています。しかし、地上権は土地貸借権とは違って債権ではなく物権であるため、以下のように異なっている点があります。

  • ・貸借料金を土地の所有者に支払うことが設定のための要件となっていないこと
  • ・土地の所有者の承諾を得なくても権利の譲渡ができること

また、地上権は土地貸借権と比べ、土地の所有者に不利益となるケースが多いようです。そのため、日本では純粋な地上権は少なく、土地利用契約のほとんどが賃貸借契約になり、土地賃借権が設定されることになります。

地目

地目(ちもく)とは、不動産登記法上における土地の利用目的による分類のことです。全部で23種類に区分して定められています。
土地利用に変更があった場合、登記簿の内容も同じように変更することを地目変更といいます。一般に地目変更は難しいとされています。例えば、農地を宅地に変える場合には、農業委員会から農地転用の許可を受けなければなりません。
また、登記は申請主義のため、申請がなければ登記簿上の地目が変わりません。地目を変更しても申請がなかった場合、登記簿に記載された地目が現状の土地の利用と一致しないこともあります。
23種類の地目の分類は以下の通りです。

宅地
建物の敷地およびその維持もしくは効用を果たすために必要な土地
学校用地
校舎、付属施設の敷地および運動場
公園
公衆の遊楽のために供する土地
境内地 (けいだいち)
境内に属する土地であって、本殿、拝殿、本道、社務所、庫裏、教団事務所などの建築物がある一画の土地や参道として用いられる土地
墓地
人の遺骸、遺骨を埋める土地
公衆用道路
一般交通の用に供する道路(道路法による道路かどうかは問わない)
鉄道用地
鉄道の駅舎、付属施設および路線の敷地
農耕地で用水を利用して耕作する土地
農耕地で用水を利用しないで耕作する土地
牧場
家畜を放牧する土地
山林
耕作の方法によらないで竹木の生育する土地
保安林
森林法に基づき農林水産大臣が指定した土地
原野
耕作の方法によらないで雑草・灌木類の生育する土地
防水のために築造した堤防
水道用地
もっぱら給水の目的で敷設する水道の水源地
運河用地
運河法(大正2年法律第16号)第12条第1項又は第2号に掲げる土地
用悪水路
かんがい用又は悪水排泄用の水路
井溝
田畝(でんぽ)または村落の間にある通水路
ため池
耕地かんがい用の用水貯留地
池沼 (ちしょう)
かんがい用水でない水の貯留地
鉱泉地
鉱泉の湧き出し口およびその維持に必要な土地
塩田
海水を引き入れて塩を採取する土地
雑種地
以上のいずれにも該当しない土地

地役権

地役権とは、自己の土地である要役地の便益をはかるために、他者の土地である承役地を利用することができる権利のことです。一般に、他者の土地に軽微な負担を加えることで目的を達することができるような権利として設定されます。地役権が設定されている場合、承役地の所有者も一定の範囲内で承役地を利用することができます。
地役権には、他者の土地を通行するための通行地役権や、溝や引水管を設けて引水するための引水地役権、自己の土地からの眺めを確保するための観望地役権などがあります。

自己の土地である要役地と他者の土地である承役地は必ずしも隣接している必要はありません。例えば、溝や引水管を設けて引水するために、自己の土地から離れた場所にある他者の土地を承役地として地役権を設定することができます。
また、地役権には随伴性という特性があります。これは自己の土地である要役地の所有権などが移動する場合に、特約がない限り地役権も一緒に移動するということです。

築年数

築年数とは、建物が完成した後の経過年数のことで、建築経過年数の略です。一般的に、築年数は建物登記簿の表題部に記載されている「登録原因及びその日付」を根拠としています。

築年数は建物を売買する場合の物件価格や、賃貸物件の家賃などに大きく影響することになります。築年数が古いほど、建物の老朽化や損傷、設備の年式遅れがより進行している可能性は高く、物件価格や家賃などは低くなります。ただし、日常的な建物の管理の状況やリフォームの有無、建物の大規模修繕の時期などによって、老朽化や損傷の程度には建物ごとに差があります。

築年数について、「築浅」とは建物が完成してからまだ日が浅いという意味で、多くの場合、築年数が3年以下の物件に用いられます。また、「新築」とは、築年数が1年未満で、入居者がいたことのない物件のことです。

抵当権

抵当権とは民法上の担保物権のひとつで、当事者間の合意によって設定される約定担保物権です。
抵当権は「債務者が債務不履行に陥った場合、特定の債権者が優先的に債権を回収すること」を目的に設定されます。通常は債権者が抵当権者、債務者が抵当権設定者となります。

抵当権は主に不動産において設定されます。ただし、不動産に抵当権が設定されても所有者は不動産を手放す必要はありません。このような性質を持つことから、抵当権は非専有型の担保物権になります。
例えば、ある人がローンを組んで住宅を建てた場合、融資した銀行は住宅に抵当権を設定します。ローンの返済期間中であっても、住宅の所有者はローンを組んだ人、つまり債務者です。そして、所有者が「ローンの返済が苦しくなった」などの理由で住宅を売却する事態になったとします。その際には銀行は住宅の抵当権者として、住宅の所有者が他に借金を抱えていた場合でも優先的に住宅を売却した売却益を残債分として回収することができます。

都市計画区域

都市計画区域とは都市の健全な発展と秩序ある整備を図るため、一体の都市として整備、開発、保全する必要がある地域です。都市計画区域は日本の国土の25%強を占めるに過ぎませんが、人口の90%以上が住んでいます。
原則として人口が1万人以上で、商工業など都市的な仕事に従事している人が全就労者の50%以上、中心市街地に住んでいる人が3,000人以上などの条件を満たした市町村の区域が都市計画区域とされています。
都市計画区域は、大きく以下の3つに分けられます。これらの土地を利用する際は、都市計画法に基づく都道府県知事の許可が必要となります。

・ 市街化区域
既に市街地を形成している区域や、市街化を図るべき区域。人が生活することを前提としているため、ほとんどの地域で住宅の建築が可能。
・ 市街化調整区域
一定規模までの農林水産業施設や公的な施設などを除き、新たに建築物を建てたり増築したりすることができない。住宅も、農林水産業を営む人が自己の居住のために建築する場合などを除き不可能。
・ 区域区分が定められていない都市計画区域(一般には非線引き区域ともいう)
住宅を建設する際に何の制限もないが、電気・ガス・水道などインフラが未整備のため住居としては不適。

土地区画整理事業

土地区画整理事業とは、都市計画区域内の土地について公共施設の整備および宅地の利用増進を図るために、土地の区画形質の変更や公共施設の整備を行う事業のことです。
土地区画整理事業では、「減歩(げんぶ)」と「換地処分」という手法を用いて、区画整理を行います。減歩とは所有者から少しずつ土地を提供してもらうことで、公共施設の整備や事業資金を生み出すことです。また、換地処分とは公共施設の整備とともに個々の宅地の条件を考慮しながら、宅地を利用しやすいように再配置することを指します。
土地区画整理の施行者は、土地の所有者、土地区画整理組合、地方公共団体、行政庁の長、公団・公社などです。換地処分が終わるまでは、土地の形式の変更や建物の新築・増改築、5トン以上の物件の設置などに制限が設けられます。
区画整理を行うと、区画整理前より宅地の面積は減ります。ただし、区画整理によって公共施設が整備され利用しやすくなることで、土地の資産価値が上がることが多くなります。

土地登記簿

土地登記簿は、不動産登記簿の一種であり、土地の所在や面積、所有者の住所や氏名または権利関係等の状況が記載された書類のことです。所有者の情報や権利を一般公開することによって、より安全で円滑な取引を行うことができるようになります。
土地登記簿の基本的な構成は以下の3つに分かれています。

・ 表題部
その土地の所在、地番、地目、地積が記載されている。
・ 甲区
所有権に関する事項が記載されている。
・ 乙区
利用権や担保権など、所有権以外の権利について記載されている。

土地登記簿は登記所で保管されており、誰でも自由に閲覧したり、登記簿の写しを入手したりすることができます。
土地登記簿への登記を怠ると、第三者に所有権を主張できず、場合によっては所有権を失うこともありえます。これは権利者の登記を促し、登記を信頼して取引を行おうとする第三者を保護することにもつながるため、土地取引の安全が担保されることになります。

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