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日照権
日照権とは、建築物などの日当たりを確保する権利のことです。日照権を明確に規定した法律はありませんが、日本国憲法第25条にある「すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」という内容を根拠としています。近隣にマンションなどの高層建築物が建設され、日当たりの阻害が予想される場合には、日照権の確保のために仮処分申請や損害賠償訴訟などを起こすことができます。
日照権の侵害は、以下のような要因を総合的に比較検討して判断されますが、近隣住民の受忍限度は特に重要視されます。
- ・ 日影図や市町村の条例
- ・ 日照権の侵害による被害が受忍限度を超えているかどうか
- ・ 日照権を侵害している建築物の公共性や公益性
日照権は建築基準法(昭和25年5月24日法律第201号)とは直接関係しません。よって、建築物が建築基準法に定められている建築基準を満たしていても、建築物の設計変更や建築工事の差止めなどの処分を受けることがあります。
また、日照権は住居にのみ関係する権利ではなく、田畑などの農地にも関係する権利です。